椿の魅力

◇◆◇椿の魅力◇◆◇


椿は桜と共に、日本を代表する花木で、万葉の時代から日本人に親しまれてきました。現在は花の観賞と椿油の利用が主ですが、古来その材は櫛や食器、版木、農具の柄などの他、椿炭や椿灰までもそれぞれに価値ある生活資源として活用されて来ました。又一方、常緑の美しい艶葉を持ち、古木になると枝と枝の癒合による連理の現象や伐採や火災後の再生力のたくましさなどから、霊力の宿る神木として崇敬されてきた。 椿が花首から落ちるので不吉とされ、それゆえに武士が嫌ったというのは全くナンセンスなことで、史実とは異なるそうです。

◇◆◇椿の思い出◇◆◇


「月のうち二十五日間はその椿の花は白く、五日間は紅の椿だった。どうしてそんな風に色を変えているのか、誰もわからなかった・・・・彼女は、椿以外の花を持っていたためしがない」デュマ・フィスの小説『椿姫』の一節。 主人公マルグリットの亡き後も、お墓にはいつも白の椿を絶やした事がなかった。それほど白椿を愛された。
私も、どちらかと言えば侘助系のあっさりした椿が大好きである。
お尋ねした、お玄関先に、何気なくそっと、一輪生けてある椿の花を見掛けると、何故か心が和んでくる。

小学校3年生になった時、今までの担任と変わって、新しい先生になった。2年生の時の先生が大好きだった。友達4〜5人で、その先生のお宅に遊びに行こうという事になった。庭に咲いていた、確かピンクの椿の花をどうしても持って行きたいと、親にせがんで、摘んでもらい、それを片手に、みんなで遊びながら、一時間ほど歩いて、先生の家に到着。先生に椿の花を上げようとしたが、花は落ちてしまって、なかった・・・
でも、先生は、花のない椿を、花瓶に差して大変喜んで下さった。そんな幼い頃の苦い経験もある。

この写真を撮るにあたって、寒いのに、いつも一緒に付合って下さった、Oさん、どうもありがとう!(時々彼女の手が写っている)
それから、Sさん、ご主人の実家が椿の園芸店で、お庭には、珍しい種類がいっぱいあって、咲いた時、いつも電話を下さった。
椿が大好きな近所のおばあちゃま。その昔、5万円の給料の時、12,000円と、24,000円の椿の百科辞典を買ったと言う、大切な百科辞典を良かったらお役立て下さいと言って貸して下さった。
それからネットのお友達の珍しい品種をお寄せ頂いて、皆様の御協力の、お陰でこんな形になりましたことを深く感謝致します。本当にありがとうございました。これからも珍しい椿の花がありましたら、どしどしこちらの方へお寄せ下されば、大変嬉しく思います。
花の名前は、ツバキ・サザンカや、百科辞典等から調べさせて頂きました。もし、ちょっと違うぞと言う方ご連絡頂けると、大変嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。

◇◆◇椿の花形について◇◆◇


一重咲き(筒芯)
[一重咲き] 花弁数が、5〜7枚で、ヤブツバキのように、雄しべが筒状のもの。
一重咲き(梅芯)
[一重咲き] ユキツバキや肥後ツバキのように、雄しべが花糸の基部まで裂けて、梅の雄しべのように散開するもの。
八重咲き
[一重咲き] 花弁の数が、8枚以上で、花芯に、形の崩れていない、正常な雄しべのあるもの。
唐子咲き
[一重咲き] 一重、八重を問わず、雄しべが完全に花弁化し、形のととのった小さな旗弁(又は匙弁)となって、花の中心にまとまったもの。
牡丹咲き
[一重咲き] 八重咲きの花形が崩れたもので、雄しべは筒形にならず、幾つかに分裂し、旗弁も混じって、波を打った花弁の間からのぞいて見えるもの。
獅子咲き
[一重咲き]
牡丹咲きよりも、さらに弁化が進み、不規則な、大小、多くの花弁に、雄しべが混じって、花全体が盛りあがって見えるもの。
千重咲き
[一重咲き]雄しべが総て花弁に変わり、整った多数の花弁が鱗状に重なりあったもの。雄しべは全く見えないか、又は花芯に包まれて、落下まで見えません。


◇◆◇冬の華 サザンカ ◇◆◇


現在では約300の品種が知られており、又最近では古く海外に渡ったサザンカが改良された後、里帰りしているものもある。サザンカの仲間は、サザンカ群、カンツバキ群、ハルサザンカ群、タゴトノツキ群の4つの品種群にわかれます。
●サザンカ群は最も普通のサザンカで、10月〜12月にかけて開花する。朝日鶴、千代鶴、花大臣、快童丸、大錦、雪山などが代表的。
●カンツバキ群は獅子頭の実生又はその後代と考えられるグループで、開花期は遅く、11月〜3月に咲く。獅子頭、勘次郎、乙女サザンカ、昭和の栄、藤の峰、日の出富士、朝倉など。
●ハルサザンカ群は、サザンカとツバキとの種間雑種又はその後代と考えられるグループで、開花期はさらに遅く、12月から4月にかけて咲く。 銀竜、鎌倉絞、飛竜、大和錦、三段花、笑顔、凱旋、梅ヶ香等50品種が現存する。
●タゴトノツキ群は田毎の月という品種で、花は白色の小輪で、11月ごろ咲き、葉は極端に大型で、表面に光沢がほとんどない。
          (「冬の華 サザンカ」 国立歴史民族博物館、資料から)

◇◆◇椿とサザンカの見分け方◇◆◇

部位一重のヤブ椿系品種一重のサザンカ品種
花形筒〜ラッパ咲き平開咲き
花の散り方花首から離れて落ちる花弁が1枚1枚離れて散る
花の香り普通はないある
花期10〜4月10〜12月
雄しべ長い筒状筒をなさず下部まで裂ける
雌しべ無毛子房に蜜毛がある
果実無毛短毛がある
無毛若い枝にも短毛がある
大きくて無毛小さくて両面の主脈と葉柄に短毛がある



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